【社労士が解説!】人工関節の装着で障害年金は受給可能?
はじめに
人工関節は、関節の機能を回復させ、患者の生活の質を向上させるために使用される医療デバイスです。
そして人工骨頭、人工関節へ置換した場合は、障害年金3級以上に該当します。
(※障害等級3級の場合、初診日は厚生年金加入中でなければなりません。
つまり初診日が国民年金であった場合、障害基礎年金になりますので、これだけでは障害年金の対象にはなりません。
ただし、特別支給の老齢厚生年金を受給中の方は、障害年金は不支給でも障害者特例の対象になりますので、老齢年金が増える可能性があります)
人工関節の装着で障害年金の申請を検討される方の中には、
「自分一人で障害年金の申請を行うのは難しそう」
「どのタイミングで障害年金を申請できるのかわからない」
というような不安を抱いていることも多いのではないでしょうか。
障害年金の受給は生活を支える重要な一歩です。
この記事では、「人工関節」と「障害年金」の関係性に焦点を当て、障害年金受給のための具体的なポイントやステップについて、障害年金専門の社労士が優しく解説します。
この記事によって、みなさまの不安が解消され、未来が明るくなることにも繋がるかもしれません。
ぜひ最後までお読みください。
どのような時にどんなものを装着するの?要因となる傷病と人工関節の種類を解説
まずは人工関節の基本的な理解から始めましょう。
あなたがすでに人工関節の装着要員となる傷病について理解している方は次の「人工関節装着で障害年金を受給するためのポイントを解説!」からお読みください。
人工関節を装着する主な原因は、通常、関節の損傷や疾患による関節の機能不全です。以下に、人工関節装着の主な原因をいくつか挙げてみましょう
変形性関節症(骨関節症)
関節の軟骨が摩耗し、骨同士が直接摩擦することで痛みや機能の制約が生じます。変形性関節症は、加齢や関節の過度な使用、関節の不安定性などが原因となります。
関節リウマチ
自己免疫疾患により、関節の膜が炎症を起こし、関節が破壊される疾患です。関節リウマチは様々な関節に影響を及ぼし、重篤な場合には人工関節が必要となることがあります。
外傷や事故
骨折や他の関節損傷によって、関節の機能が低下することがあります。手術やリハビリテーションが不十分な場合、関節が十分に回復できないことがあります。
先天性異常
生まれつきの骨や関節の形成に異常がある場合、関節の正常な機能が妨げられることがあります。これにより、後に人工関節が必要になることがあります。
慢性の滑膜炎(関節滑液包炎)
関節滑液包の炎症が継続的に進行すると、関節の機能が低下します。慢性の場合、人工関節が関節の機能を回復させる選択肢となります。
悪性腫瘍
骨や関節に悪性腫瘍が発生すると、周囲の組織や関節の機能に影響を与えることがあります。腫瘍摘出後、人工関節が機能を取り戻す手段として使用されることがあります。
人工関節は、これらの傷病により患者の自然な関節が損傷したり機能不全になったりした場合に、その機能を回復または補完するために外科手術によって埋め込まれる人工的な装置です。主に大きな関節、特に膝や股関節、肩、肘、手首、足首などに使用されます。人工関節の目的は、痛みの緩和、機能の回復、および患者の生活の質の向上です。
主な種類の人工関節には、以下のものがあります
人工膝関節(膝関節置換術)
膝関節の損傷や変形性関節症による疼痛の軽減と機能回復を目的としています。膝関節を模倣するため、大腿骨の上部に金属のコンポーネントと、脛骨の下部にプラスチックまたは金属のコンポーネントが埋め込まれます。
人工股関節(股関節置換術)
股関節の変形性関節症、関節リウマチ、または大腿骨頭の骨折などに対して行われます。骨を切除し、金属のコンポーネントとプラスチックまたはセラミックのライナーを用いて股関節を再構築します。
人工肩関節
肩関節の変形や関節炎による疼痛や機能障害に対して行われます。肩甲骨に金属製のコンポーネント、上腕骨にプラスチックまたは金属製のコンポーネントが埋め込まれます。
人工肘関節
肘関節の損傷や変形による機能障害を改善するために使用されます。骨の切除と、上腕骨と尺骨に金属のコンポーネントが埋め込まれます。
人工手関節
手の関節の変形性関節症や関節リウマチに対して行われます。手の関節には、金属やプラスチックでできたコンポーネントが使用されます。
人工足関節
足首の変形や関節リウマチなどによる機能障害に対して行われます。足首には、金属のコンポーネントやプラスチックのコンポーネントが埋め込まれます。
なお、人工関節と似たような置換術を用いる「人工骨頭」というものがありますが、こちらは特定の関節の部分を置き換えるための装置であり、通常は股関節の治療に使用されます。障害年金の認定要件おいては人工関節と人工骨頭は同じ扱いとなります。
人工関節の装着と認定日の関係は?
人工関節装着に関しては他の障害年金請求とは異なる確認すべき要件があります。
それが「認定日」です。
ここでは人工関節装着で障害年金を受給するポイントであるこの「認定日」について解説します。
通常、障害年金の支給要件である「認定日」は「初診から1年6カ月経過後」とされています。
しかし、人工骨頭又は人工関節をそう入置換した場合は、障害認定日は「そう入置換した日(手術を受けた日)」になります。(初診から1年6か月経過後に装着する場合は、障害認定日は原則通り1年6カ月経過時点です)
つまり人工関節装着で障害年金の請求を行う場合、ほとんどが他の傷病より早く請求出来、結果早く受給することができます。
要件に該当する場合はなるべくお早目に申請されることをおすすめします。
障害年金を申請するための3つの要件について
どのような傷病であっても障害年金を申請するうえで、いくつかの要件が必要になりますが、なかでも特に重要な要件3つをご紹介いたします。
障害年金の受給を申請するための3つの要件は以下の3つです。
・初診日要件
・保険料納付要件
・障害状態要件
初診日要件について
初診日要件とは、障害の原因となる病気や怪我で初めて病院で医師の診断を受けた日のことを指します。
保険料納付要件について
障害年金を受給するためには、一定の期間に保険料を納めているかどうかが重要となってきます。
①初診日の前々月までの納付必要期間に対して3分の2以上納付していること
②初診日の前々月から過去1年間に年金の未納が無いこと
のどちらかを満たしていることが条件です。
※20歳前障害の場合は、保険料の納付要件は問われません。
障害状態要件について
障害年金を貰うためには障害認定日において、一定の障害の状態にあることが必要です。障害認定日とは本来は「初診日から起算して1年6ヶ月を経過した日」を指しますが、先に解説したとおり人工関節の装着については認定日の特例があり「装着した日」となる場合もありますので、必ず該当するか否かをご確認ください。
詳しい障害年金の納付要件についてはこちら>>>障害年金認定方法・等級
最後に
ここまで、人工関節装着で障害年金を受給するためのポイントについて、
・人工関節装着原因となる傷病と人工関節の種類
・人工関節装着独自の認定日の考え方
・実際に障害年金を申請するときのポイント
以上の3項目をもとに解説してまいりました。
人工関節を装着して障害年金を受給したいと思っている方。
ぜひ今回解説した障害年金を受給するためのポイントや要件を現在の自分と照らし合わせてみてください。
しかし、どれだけ調べてみても、実際に申請するとなるとやはり不安が残ってしまいますよね。
どれだけ障害年金の受給要件に該当したとしても、申請の仕方次第で障害年金の等級が思ったよりも低かった・・ということもあります。
また、障害年金の申請は3回まで再申請できますが、再申請によって障害年金の受給が認められる確率は13.73%(令和4年度)となっています。(厚生労働省:社会保険審査会 年度別(再)審査請求受付・裁決件数等の推移)
1度目の申請が非常に重要になるのです。
もし自分が受給要件に該当しているのに、症状に見合った障害年金が受け取れなくなるというのは非常にお辛いことだと思います。
私としても、1人でも多くの障害年金を受け取る権利がある方に症状に見合った障害年金をお届けして、みなさまの不安解消と人生を楽しむきっかけづくりをお手伝いさせていただきたいと思っております。
もし、今この記事を読んでいるあなたが少しでも症状が障害年金の要件に該当すると思ったら、障害年金専門の社労士に相談してみてください。
当事務所では、初回相談を無料で承っております。
私の持てる知識と経験を活かして、
みなさまの明日が少しでも明るいものになるように親身に寄り添い、真剣に対応させていただきます。
ぜひお気軽にご相談ください。
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