アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)で障害年金は受給できる?障害年金のポイントを社労士が解説!

アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)で障害年金はもらえる?もらえない?

アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)は発達障害の一種ですので、障害年金の対象傷病です。

ですので、アスペルガー症候群によって日常生活や働いていくうえで支障が生じているなどいくつかの条件を満たしていれば障害年金を受給することができます。

障害年金を受給するための条件やポイントを解説していきますので、是非最後までご覧ください。

障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が支給される制度です。障害者のための特別な手当と勘違いされている人も見えますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。

年金が支給されるには審査のうえ、障害等級に該当していると認定される必要がありますが、年金を請求する(申込む)ことは全国民の権利、誰でも障害年金を請求することが出来ます。基本的には、65歳以前に事故や病気で障害のある状態になり日常生活や仕事が困難になり、生活が立ち行かなくなるのを防ぐための制度です。

アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)とは

以前は、言葉や知的の発達に遅れがない場合に「アスペルガー症候群」という名称が用いられていましたが、2022年に「自閉スペクトラム症」という診断名になりました。

アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の特徴としては、遠まわしな表現や比喩を使った表現、表情やしぐさから相手の感情を読み取ることに困難さがあるため、自分の話ばかりしてしまったり、相手が傷つく言葉を悪気なく伝えてしまったりするなどの困りごとがあると言われています。

その他にも、一度決まったルーティンが崩れたり、新しい環境へ適応が必要になったりするなど変化に対する抵抗が強くあるとも言われています。

また、アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)は知的発達や言語発達の遅れがないため、幼少期からアイコンタクトの少なさや気持ちの共有がしにくいといったコミュニケーションの取りにくさは感じつつも、発達的な課題があることに気づかれにくいところがあります。

また表面的な言語的コミュニケーションを取ることができ、学力的にも問題が生じていない場合もあるので、大人になるまで分からなかったという方もいます。

障害年金の対象となる方

障害年金は大きく分けて以下のような方が対象となります。

  1. 原則として20歳から65歳までの人がもらえる
  2. 初診日より前に年金保険料を一定期間納付している方
  3. 日常生活や就労に支障がある方

障害年金を受給する際の注意点

障害年金を受給するためには3つの要件を満たしている必要があります。

障害年金を申請するまえに要件を満たしているかを確認しましょう。

初診日要件

初診日とは「障害の原因となった傷病につき、初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日」のことです。

この初診日を書類により証明する必要があるのですが、「初診日」の証明となりますので、初診の病院と現在通院する病院が異なる場合は、初診の病院にお願いして証明書類を記載して頂かなくてはなりません。

 

 

保険料納付要件

障害年金を受給するためには、一定の期間に保険料を納めているかどうかが重要となってきます。

①初診日の前々月までの納付必要期間に対して3分の2以上納付していること
②初診日の前々月から過去1年間に年金の未納が無いこと
のどちらかを満たしていることが条件です。

※20歳前障害の場合は、保険料の納付要件は問われません。
※未納の場合、後から納めても認められませんのでご注意ください。

 

①全期間の3分の2以上納付をしていること

②直近1年間納付がないこと

障害状態要件

障害年金を貰うためには障害認定日において、一定の障害の状態にあることが必要です。障害認定日とは「初診日から起算して1年6ヶ月を経過した日」を指します。

※状況により、1年半を待たずに障害年金の申請ができる特例がございます。

具体的な流れとして、まず年金事務所(国民年金の場合は市区町村の国民年金課)が内容を確認して、年金を受給するために必要な資格があるかどうかを判断します。その後、障害の状態を認定医が判断します。

なお、審査は診断書などの資料を見て客観的に判断することとなります。

つまり、審査は診断書や申立書などの書類の内容ですべて判断し、逆に書類に記載のない事は判断材料となりませんので、日常生活の状態をきちんと伝えることができる書類を準備することが非常に重要となります。

 

アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の認定基準

障害年金には障害状態要件を満たしているかを判断するために、認定の基準が設けられています。

アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)は発達障害の1種ですので、発達障害の認定基準を満たしているか確認しましょう。

発達障害の認定基準

認定基準によると、統合失調症で各等級に相当する障害の状態は以下のように定められています。

1級: 高度の自閉・感情の平板化・意欲の減退などの陰性症状又は高度の病状があるため高度の人格変化、思考障害、その他妄想・ 幻覚等の異常体験が著明なため、常時の援助が必要なもの

2級: 自閉・感情の平板化・意欲の減退などの陰性症状又は病状があるため人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があるため、日常生活が著しい制限を受けるもの

3級: 自閉・感情の平板化・意欲の減退などの陰性症状又は病状があり、人格変化の程度は著しくないが、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があり、労働が制限を受けるもの

 

常に誰かの援助がなければ日常生活がおくれない場合が1級、日常生活に支障が出ている場合が2級、仕事に支障が出ている場合が3級です。
「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」では、診断書の記載事項である「日常生活能力の判定」及び「日常生活能力の程度」に応じて等級の目安が定められています。

 

日常生活能力の判定

日常生活能力への影響は、7つの項目で医師が判定します。これが障害年金の診断書に記入されます。

判定項目の一例

・きちんとした食事 配ぜん、片付け、3度の食事をバランスよく摂れているかどうか
・身辺が清潔かどうか 洗面、洗髪、入浴等の身体の衛生保持や着替え等ができるか
・自室の清掃や片付けができるか
・金銭管理と買い物はできるか 金銭を独力で管理できるか、やりくりができるか
・一人で買い物が可能か、計画的な買い物ができるか
・通院と服薬はどうか 規則的に通院や服薬を行い、病状等を主治医に伝えることができるか
・他人との意思の伝達、対人関係はどうか 他人の話を聞くことができるか、自分の意思を相手に伝えることができるか、集団的行動が行えるか
・安全の保持と危機対応はどうか 事故等の危険から身を守る能力があるか
・通常と異なる事態となった場合に、他人に援助を求めるなどを含めて、対応することができるか
・社会性はどうか 銀行での金銭の出し入れや公共施設等の利用が一人で可能か
・社会生活に必要な手続が行えるか

 

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アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)のポイント

初診日について

発達障害は先天性の障害です。一般的に先天性の障害は「20歳前障害」と呼ばれ、初診日が出生日になります。

ですが、アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の初診日は病院に行ったときになりますので注意が必要です。

障害年金の申請には通院が必要

発達障害は病院にかかっていない方・過去一度受診して、その後通院していない場合は認定日に診断書が取得できず、申請が困難になるため、定期的に通院をすることが必要です。

アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の申請は複雑な場合があります

アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の方はうつ病を併発しているなど、申請が複雑になる場合が多いため、一度社労士にご相談することをお勧めします。

アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の受給事例

相談時のご状況

お仕事も最長3年8ヶ月しか続いたことがなく、現在は仕事も出来ない状態でした。5~6年前に1日のみ通院していましたが症状の悪化もあり、通院再開をきっかけにご相談いただきました。

当事務所の対応

ご相談者様はお仕事が3年以上継続できていたため、障害年金の審査の際に症状が軽く見られてしまう可能性がありました。

ですので、その他の仕事の時には1~3カ月ほどしか継続した就労ができておらず、また、仕事内容も一人でできる仕事であれば比較的症状は落ち着いているものの、コミュニケーションが必要な仕事では強いストレスに感じてしまうなど日常生活や就労にも制限が生じていることを書類に反映しました。

加えて、初めての通院が5年以上前でその後一度も通院をしておらず、当時の状況や通院再開までの状況が正確に診断書に反映することが難しい状況でしたが、ご相談者様の障害の詳細な状態が適切に診断書や障害年金の申請書類に反映されるようご相談者様と一緒に何度もヒアリングを重ねました。

当時の状況や5年間の状況を診断書に反映することが難しい状況でしたが、相談者とのヒアリングを重ね、詳細な状態を診断書と申請書類に反映できるようにいたしました。

結果

結果として、相談者様は障害年金基礎2級を受給することができました。

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障害年金を受給したいと思っている方はぜひ今回解説した内容を現在の自分と照らし合わせてみてください。

しかし、どれだけ調べてみても、実際に申請するとなるとやはり不安が残ってしまいますよね。

そしてもし障害年金の受給要件に該当したとしても、申請の仕方次第で障害年金の等級が思ったよりも低かった・・ということもあります。

また、障害年金の申請は決定に不服があった場合は、審査請求・再審査請求まですることができますが、それよって障害年金の受給が認められる確率は13.73%(令和4年度)となっています。厚生労働省:社会保険審査会 年度別(再)審査請求受付・裁決件数等の推移

つまり、最初の申請が非常に重要になってくるのです。

もし自分が受給要件に該当しているのに、症状に見合った障害年金が受け取れなくなるというのは非常にお辛いことだと思います。

私としても、1人でも多くの障害年金を受け取る権利がある方に症状に見合った障害年金をお届けして、みなさまの不安解消と人生を楽しむきっかけづくりをお手伝いさせていただきたいと思っております。

もし、今この記事を読んでいるあなたが少しでも症状が障害年金の要件に該当すると思ったら、障害年金専門の社労士に相談してみてください。

当事務所では、初回相談を無料で承っております。

私の持てる知識と経験を活かして、

みなさまの明日が少しでも明るいものになるように親身に寄り添い、真剣に対応させていただきます。

ぜひお気軽にご相談ください。

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