【社労士が解説!】大人の発達障害で障害年金受給のポイント

「大人の発達障害」とは

発達障害とは、先天性の脳の障害により、日常生活や仕事において困難をきたす状態のことです。脳の障害ですので、育て方が悪いなどということで起こるものではありません。

そんな中でも近年、大学への進学や就職を機に、発達障害の特徴が顕著に現れることで発覚する「大人の発達障害」が増えています。

 

2.「大人の発達障害」の症状とは?

大人の、とは言ってもこどもの発達障害と症状は同じです。

・社会コミュニケーション障害

会話のキャッチボールができない

表情が乏しい

空気が読めない発言をしてしまう

・不注意

一つのことに集中できない

物の置忘れ、無くし物が多い

片付けや整理整頓が出来ない

・多動性、衝動性

落ち着いてじっとしていられない

衝動的な発言をしてしまう

など、症状が軽くて気がつかなかったり、こどもの頃には個性として捉えられていたものが大人になって日常生活を送るうえで支障が生じるようになり、発覚するというパターンが多いです。

 

「大人の発達障害」における問題点

発達障害の症状により、仕事がうまくいかず失敗が積み重なったり、他人とのコミュニケーションが上手にとれないことにより悩みを上司や先輩に相談できないことでふさぎ込むようになった結果、「うつ病」や「適応障害」などを発症してしまうことがあります。

また、仕事をうまくこなせないことから転職を繰り返したり、失業してしまったりすることで社会的、経済的に不安定な状況となります。

 

周囲はどのようなことに気を付けたらよいか

それぞれの発達障害による特徴を踏まえたうえで、その人の個性として受け止め、本人が自分らしく過ごせるような環境を整えてあげましょう。

悩みがあったらすぐに相談できるような雰囲気づくりも大切です。

 

大人の発達障害で障害年金が受給できる?

発達障害は障害年金の対象となります。

仕事がこなせず転職を繰り返し収入が安定しない、会話がうまくいかないため人と話をするのが辛く外にも出られない、などという方々が障害年金を受給することで経済的な支えを得て、精神的にも安定し、落ち着いて生活することがことが出来るようになります。

ただし、単に申請書類を提出すれば支給されるものではなく、日本年金機構の定める一定の基準を満たしている必要があります。

支給されるポイントをおさえて申請することが重要です。

障害年金の受給のポイント

保険料の納付要件を満たしていなければなりません。

障害の程度の要件を満たす必要があります。

どれくらいの症状であれば、認定されるか、認定基準ついて説明します。

 

発達障害の認定基準

認定基準によると、統合失調症で各等級に相当する障害の状態は以下のように定められています。

1級: 高度の自閉・感情の平板化・意欲の減退などの陰性症状又は高度の病状があるため高度の人格変化、思考障害、その他妄想・ 幻覚等の異常体験が著明なため、常時の援助が必要なもの

2級: 自閉・感情の平板化・意欲の減退などの陰性症状又は病状があるため人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があるため、日常生活が著しい制限を受けるもの

3級: 自閉・感情の平板化・意欲の減退などの陰性症状又は病状があり、人格変化の程度は著しくないが、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があり、労働が制限を受けるもの

 

常に誰かの援助がなければ日常生活がおくれない場合が1級、日常生活に支障が出ている場合が2級、仕事に支障が出ている場合が3級です。
「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」では、診断書の記載事項である「日常生活能力の判定」及び「日常生活能力の程度」に応じて等級の目安が定められています。

 

日常生活能力の判定

日常生活能力への影響は、7つの項目で医師が判定します。これが障害年金の診断書に記入されます。

判定項目の一例

・きちんとした食事 配ぜん、片付け、3度の食事をバランスよく摂れているかどうか
・身辺が清潔かどうか 洗面、洗髪、入浴等の身体の衛生保持や着替え等ができるか
・自室の清掃や片付けができるか
・金銭管理と買い物はできるか 金銭を独力で管理できるか、やりくりができるか
・一人で買い物が可能か、計画的な買い物ができるか
・通院と服薬はどうか 規則的に通院や服薬を行い、病状等を主治医に伝えることができるか
・他人との意思の伝達、対人関係はどうか 他人の話を聞くことができるか、自分の意思を相手に伝えることができるか、集団的行動が行えるか
・安全の保持と危機対応はどうか 事故等の危険から身を守る能力があるか
・通常と異なる事態となった場合に、他人に援助を求めるなどを含めて、対応することができるか
・社会性はどうか 銀行での金銭の出し入れや公共施設等の利用が一人で可能か
・社会生活に必要な手続が行えるか

上記のような例を最高4点、裁定1点で評価し、診断書に記入します。

 

日常生活能力の程度

次の5項目で日常生活能力の程度を評価します。これを診断書に医師が記入します。

1 統合失調症による精神障害(病的体験・残遺症状・認知障害・性格変化等)を認めるが、社会生活は普通にできる。
2 統合失調症による精神障害を認め、家庭内での日常生活は普通にできるが、社会生活には、援助が必要である。
3 統合失調症による精神障害を認め、家庭内の単純な日常生活はできるが、時に応じて援助が必要である。
4 統合失調症による精神障害を認め、日常生活における身のまわりのことも、多くの援助が必要である。
5 統合失調症による精神障害を認め、身のまわりのこともほとんどできないため、常時の援助が必要である。

 

等級判定ガイドライン

等級判定ガイドラインでは、この他に等級判定の際に考慮すべき要素として以下の項目が示されています。先ほどの「日常生活能力の判定」と「日常生活能力の程度」と以下の項目を総合的に評価して等級が決定されます。

項目 要素 具体的な内容(等級判定ガイドラインより)

病状又は状態

・療養及び症状の経過(発病時からの状況、最近1年程度の症状の変動状況)や予後の見通し
・妄想・幻覚などの異常体験や、自閉・感情の平板化・意欲の減退などの陰性症状(残遺状態)の有無 等

療養状況 ・通院の状況(頻度、治療内容など)

・入院時の状況(入金期間、院内での症状の経過、入院の理由など)
・在宅での療養状況(家族や重度訪問介護から常時援助を受けて療養している等) 等

生活環境

・家族等の日常生活上の援助や福祉サービスの有無
・入所施設やグループホーム、日常生活上の援助を行える家族との同居など、支援が常態化した環境下では日常生活が安定している場合でも、単身で生活するとしたときに必要となる支援の状況 等

就労状況

・援助や配慮が常態化した環境下では安定した就労ができている場合でも、その援助や配慮がない場合に予想される状態を考慮する
・相当程度の援助を受けて就労している場合は、それを考慮する(就労継続支援A型若しくはB型、障害者雇用制度による就労、就労移行支援) 等

その他

「日常生活能力の程度」と「日常生活能力の判定」に齟齬があれば考慮されます。「日常生活能力の判定」の平均が低い場合であっても、各障害の特性に応じて特定の項目に著しく偏りがあり、日常生活に大きな支障が生じていると考えられる場合は、その状況が考慮されます。

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