【社労士が解説!】知的障害で障害年金を受給したい方へ

はじめに

障害年金は、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に国から支給される年金です。
しかしその仕組みや受け取れる要件について、「難しくてよくわからない」という方も多いのではないでしょうか?

そんな方のためにこの記事では
「障害年金とはどういうもの?」
「どういう人が受け取れる(もらえる)の?」
そんな疑問に障害年金専門の社労士が優しくわかりやすくお答えします。

※本来障害年金は障害状態に該当する方が当然の権利として「受け取る」ものです。当事務所では「もらう」という表現を避けておりますが、この記事では障害年金をより多くの方に理解して頂き、そして多くの必要な方に障害年金が届くきっかけとなるように敢えて「もらえる」という言葉も併記して説明いたします。

知的障害とは?

知的障害とは、社会生活を過ごす上での困難さを感じ、支援を必要としている状態のことをいいますが、その状態はおおむね以下の項目を基準に判断します。

①知的能力(IQ)が70未満
②日常生活や社会生活への適応能力が低い
③発達期(おおむね18歳まで)に生じている

※知的障害は「精神遅滞」、「知的能力障害(知的発達症/知的発達障害)」とも呼ばれたりしますがこの記事ではわかりやすく「知的障害」という表記で統一します。

障害年金とは

では知的障害で受けられる可能性のある障害年金についてもここで説明します。
障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があります。どちらの対象になるかは病気やけがで初めて医師の診療を受けたときに

国民年金に加入していた場合(国民年金の被保険者となる前(20歳未満)や、被保険者資格を失った後(60歳以上65歳未満)である場合を含む)→「障害基礎年金」

厚生年金に加入していた場合→「障害厚生年金」
となります。

そして等級についてはそれぞれ
障害基礎年金・・・1級、2級
障害厚生年金・・・1級、2級、3級
となっています。
※障害厚生年金については等級に該当する状態よりも軽い障害が残ったときは、障害手当金(一時金)というものもあります。

●障害の程度の概要については次のとおりです

  障害の程度                   概要
   1級 身のまわりのことはかろうじてできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね就床室内に限られるもの。
   2級 家庭内の極めて温和な活動(軽食作り、下着程度の洗濯等)はできるが、
それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね病棟内に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね家屋内に限られるもの。
   3級 労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。
  障害手当金 「傷病が治ったもの」であって、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とる程度のもの。

 

知的障害における障害年金の申請・受給のポイントとは?

知的障害はその他の精神疾患と申請の際の考え方や気を付けるべき部分が違ってきます。
ここではその内容を踏まえつつ、障害年金を受給する(もらう)ためのポイントをあげていきます。

知的障害の初診日を認識する

知的障害は先天性疾患のため、最初に医療機関を受診したのがいつかにかかわらず、出生日=初診日となります。したがって初診日の証明も要りません。
これはつまり、障害基礎年金の20歳前障害にあたるということで、障害年金が支給されるには2級以上に認定される必要があるのです。

いつの診断書が必要か把握しておく

知的障害で障害年金を請求する場合には、20歳に達した日の前後3ヶ月以内に病院に診断書を作成してもらいます。
これを障害認定日請求(本来請求)と言い、請求の結果、障害等級1級または2級に認定されれば、20歳に達した日の翌月分から障害年金を受け取ることができます。

しかし知的障害の場合は継続的な通院をされておらず、障害年金の請求に際して病院を受診する方もいらっしゃると思います。そういった場合はすぐに診断書を記載して貰えない場合もあるため、障害年金の請求を考えている方はあらかじめ病院を探して一定期間受診しておくことが望ましいです。

では20歳前後3ヶ月に受診しておらず、診断書が手に入らない場合はどうすればいいのでしょうか?
このような場合は事後重症請求をするのが一般的です。事後重症は請求日前3ヶ月以内の日付の診断書で申請が可能となります。しかしこの場合は遡って受給することが出来ず、認定された場合は申請月の翌月分から受給となります。

診断書の内容をよく確認する

知的障害で請求する場合は診断書の内容が「知的障害」に沿う形で記載されていなくてはならず、一般的な精神疾患の診断書とは異なる部分があるのでしっかりと確認します。

また「日常生活能力の判定」は知的障害のある方が医師に自分自身で伝えるのは困難なため、付き添い人がサポートしながら伝えるなどの方法を取りましょう。

しかし限られた診察時間で現在の状態や困りごとを端的に伝えるのは、難しいと感じる方も多いのではないかと思います。
実際出来上がった診断書を見て「こんなはずではなかった」とならないように、当事務所では事前にお客様と十分な時間をとってヒアリングを行った内容を医師にわかりやすく伝えられるような事前準備をしてから、診断書の依頼に進めていくように段取りをしております。

障害年金の申請における診断書取得に不安を感じている方はぜひご相談ください。
最後に「日常生活能力の程度」は、精神障害と知的障害で記入する場所が別になっています。受け取った際必ずチェックしてください。

お問合せください

ここまで、知的障害で障害年金を受給したい方へということで

・知的障害とは?
・障害年金とはどういうものか
・知的障害の障害年金申請・受給のポイント

以上の項目を解説してまいりました。

 

障害年金を受給したい(もらいたい)と思っている方はぜひ今回解説した内容を現在の自分と照らし合わせてみてください。

しかし、どれだけ調べてみても、実際に申請するとなるとやはり不安が残ってしまいますよね。

そしてもし障害年金の受給要件に該当したとしても、申請の仕方次第で障害年金の等級が思ったよりも低かった・・ということもあります。

また、障害年金の申請は決定に不服があった場合は、審査請求・再審査請求まですることができますが、それよって障害年金の受給が認められる確率は13.73%(令和4年度)となっています。(厚生労働省:社会保険審査会 年度別(再)審査請求受付・裁決件数等の推移

つまり、最初の申請が非常に重要になってくるのです。

もし自分が受給要件に該当しているのに、症状に見合った障害年金が受け取れなくなるというのは非常にお辛いことだと思います。

私としても、1人でも多くの障害年金を受け取る権利がある方に症状に見合った障害年金をお届けして、みなさまの不安解消と人生を楽しむきっかけづくりをお手伝いさせていただきたいと思っております。

もし、今この記事を読んでいるあなたが少しでも症状が障害年金の要件に該当すると思ったら、障害年金専門の社労士に相談してみてください。

当事務所では、初回相談を無料で承っております。

私の持てる知識と経験を活かして、

みなさまの明日が少しでも明るいものになるように親身に寄り添い、真剣に対応させていただきます。

ぜひお気軽にご相談ください。

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